■■■ セローでトレッキングトライアル ■■■

6月6日に行われた同イベントのスタッフ
事務局長つかちゃんこと塚田さんのレポート!

 

6月5日(土)

暑い。

 梅雨入りしったっていうから、心配いていたのに、何なんだこの天気!っていうぐらいの絶好のコンディション!
 さあ、構想4ヶ月、セローオーナーズクラブ(S.O.C)関東支部イベント
「セローのトレッキングトライアルinF2小湊」のはじまりはじまりぃ〜。

 昨年までのセローイベントと違い、今年はS.O.Cに主催が移り、ユーザーの手作りとなったこのイベント。5月の「セローオーナーズパラダイス」、四国支部「剣山全線走破ツーリング」に続く、第3弾。
 縁あって浜北に続き、仲間たち(堀江さん、岸井さん、Soyaさん、下田さん、柿沼君、美穂ちゃん、ろす佐々木君、途中から関君)とともに参加&お手伝いさせて頂くことになった。

 前日土曜日はスタッフでセクション作り。初心者、中級者、上級者、それぞれのクラスに楽しんでもらえるように、という関東支部長 岸井さんのコンセプトに、S.O.C代表 河合さんのいたずら心を振りかけて、10セクションを続々と作っていく。
 コーステープを張り、上級者用チャレンジライン規制カードを置いていく。みんなで知恵を絞り、試走をし、登ったり下ったり。気がつくとあっというまに5時半。最後に1週して、コースを頭に叩き込む。

 が、だめ。暑さと疲労で頭はウニウニ。大丈夫か?明日の本番...。

 とりあえず、撤収し、前泊の宿舎「民宿 杉浦荘(TEL No.)」へ向かう。
酒だ酒だぁ〜!その前に風呂だぁ〜!ばんざ〜い!
や、やめられまへんなぁ〜!!!

杉浦荘に着くと、既に自走・前泊組みのセローが止まっている。

 埃を落として、広間の食卓へ。おお、女性が多いぞ!遅れてくる方を差し置いて、前夜祭の始まり。いつもながらの河合さんの軽妙洒脱な司会(なんやそれ)で、場は一気に盛り上がる。業務連絡に続いて、お約束の自己紹介タ〜イム。
 それぞれ個性的な自己紹介。みんなどんな人なんだろう?なぁんて心配は食い、飲む間にどっか行っちゃった。「同じセローに乗っている」というだけで、打ち解けるのには充分。
 神奈川から参加の主婦 加藤さん、ご夫婦で参加の苗代さん、当初小湊までの道のりが分からなかったものの、頑張って来られた三郷の平野さん、浜北に続いて参加の田沼さん。みんなで盛り上がる。
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 みんな会場のF2小湊が初めての為、ちょっと不安な様子。苗代夫妻は、仲間に「人生最初で最後の小湊」と言われて来たらしい。それを聞いた平野さんは、ちょっとビビリモード。「明日は走らずに帰ります!」なんて言ってたっけ...。
 大いに盛り上がった宴も、頃合いを見てお開き。まだまだ話し足りないけど、明日もあるので、今日はこの辺でおやすみなさい。

6月6日(日)

イベント本番当日。

 スタッフの集合時間は、現地7時半。が、目が覚めてしまった、5時。天気は良さそう。まだだれも起きてこない。暇なので、布団を抜け出しトランポの中を片付け、海辺を散歩。ん〜爽やか!(年寄りの早起き?)
 部屋に戻ると、みんな起き出す。朝食をとり、一足先に会場へ。私はF2小湊の受付けを担当。が、ここでパニック。ぱらぱらと参加者が集まっているうちはよかったけど、9時の開始時間近くになると、当然のことながら参加者が集中。私の不手際から、たちまち行列ができてしまった。おまけに、炎暑の中で1時間もいたものだから、頭がウニウニ状態。参加者の人数も足し算出来なくなって、下田さんに足し算を頼む。が、なんと下田さんも
 ウニっていた。検算しても合わない。結局Soyaさんの機転で難題クリア。
Thankyou、Soyaさん。

 一足遅れて本部に上がると、既に組み分けの最中。私は中級クラスを担当させて頂くことになったが、ほんとに引率なんてできるのか?>自分
 我がグループは、トレッキングパーティーでご一緒したこともある、蘭(あららぎ)さん、オンロード暦が長かったと言いながら、走りはトライアラーの稲川さん、免許暦1年ながら負けず嫌いの根性派女性 武田さん、そして私の仲間の中村君、という5人編成。

 続々と走り出す各グループに交じり、我々もスタート。第1、2、3セクションをやり過ごし、第4セクションへ。ところが、上から見ていると、第4セクションは早速渋滞中。そこで、先に第3セクションからトライすることに。

 高低差30m、斜度60度程度のヒルクライムセクション。当然ながらトライするには、まず降りなければならない。セクションの説明をして、一旦みんなで降りてから下見に入る。
 初めて小湊に来た方には、中々手強そうにみえるだろうなぁ...なんてほくそえみながら、私が最初にトライ。中級者ラインの一番右端を上がり、クリーン。私の合図で、男性陣からトライ。3人ともクリーン。結構レベル高いかも。
 最後に武田さんがトライ。やはりこの角度はきついようで、アクセルが思い切り開けられず登りはじめで、失速、転倒。5点。が、彼女の本領はここから。必死にバイクを起し、自力で再スタートを試みる。小柄で両足ともは接地しない為、右に左に交互に足を着いて、登ってくる。が、やはり途中からの再スタートではスピードも無く、再度転倒。あとから追いついた堀江さん組みの男性陣にも手伝ってもらって、何とか登り切る。

 すると、武田さんが「やっぱり私、初心者クラスに移ります...」と弱気な発言。「とりあえずトライしなくいてもいいから1周してみませんか?それから決めては?もちろん無理強いするつもりはありませんので、自分で決めて下さい」と説得。「それじゃあ行ってみます」と武田さん。頑張れ!

 再び下って、次の第4セクションへ。

 ここは、だらだらとしたガレ場の上り。セクションはその中ほどの一部だが、走りはじめたら最後まで登り切らないと、途中からの再スタートは、トラクションが得られずちょっと厳しいかも。男性陣はスムーズにクリア、と言いたかったけど、セクションインの前の大き目の石にハンドルを取られ、ちょっとハンドルを取られ、ポチ足を着く人も。
 武田さんも転びながらでも、上がってきた。荒い息を整え、5セクションへ移動。と、ここで私がコースミス。本部にも誰もおらず、ちょっと焦ったが、もう一度間違えたのと反対に行って、無事復帰出来た。スミマセンでした。
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 ED風のコースを少し走ると波を打つ岩盤の下り、途中からガレガレになり、ちょっと恐い。下りきった所が第5セクション。上級チャレンジラインは小湊特有の波打ち岩盤。角度が急な上、うねっており、かなりキツイ。昨日の試走でも、下田さんでも手を焼いていた。
 ここだけは上級と中級で全くの別セクション。中級者ラインは左脇の土のライン。といっても4輪駆動車が深い轍を作っており、セローを落とすと、まず上がれない。脇の土手を行くか、真ん中の轍を登りきるか、腕の見せ所。
 私は真ん中を勢いで上がる。稲川さんはゆっくりと、粘り腰でソフトにクリーン。渋い。中村君はここらで見せ場を作るかと思われたが、何事も無くクリーン。つまらない...。武田さんは、さすがに前半で戦意喪失。男性陣に助けられ、次のセクションへ。

 第6セクションはサービスセクション。岩盤の登りながら、中級ラインは真っ直ぐの登りきればOK。

 ここでは武田さんも、目をひんむいて、上がりきった。が、アウトしてからコケテいた。上級ラインは規制があり、登って左脇をまいてから、右へ岩盤を横断して抜けていく。岸井さんプロデュースのいやらしいセクション。

 第7セクションは外周路から外れ、奥の方へ。頭大の小岩と砂混じりのだらだら登り。見た目は「長いなぁ〜」という程度ながら、トライしてみると、トラクションが効かずかなり苦労する。昨日の試走でもスタッフの美穂ちゃんは、かなり苦労していた。セクション自体は中ほどだけなので、クリーンは出るものの、男性陣も上りきる手前では、みんなバタ足状態。セローのコンセプト「2輪2足」とはまさにこの事。それでも粘りながら上がろうとするセローは、さすが。
 みんなほうほうの体で上がったが、ここでトラブル発生!蘭さんが、あと少しの所で転倒した際に、リヤブレーキ(ドラム)が解体。蝶ネジが外れ、ワイヤーから抜け落ちた。ネジは見つかったが、タイコが行方不明。これでは登れても下れない。仕方なく、一旦本部へ帰る。
 先発組み、初級者クラスのメンバーが、昼食中。う、腹減ったぁ〜!河合さんに蘭さんを任せ、コースへ戻る。

 第8セクションはコースの途中、一旦尾根を下りた所がスタート地点。ほとんど助走が取れない登り。幅の広い岩盤ながら、ラインは登りながら左へまいており、実質的に中級者が上がれるラインは一番右の一本のみ。武田さんはあわやクリーンかと思われたが、あと30センチを残して失速、転倒。斜面での再スタートは苦手のようだけど、頑張って。

 第9セクションは奥の沢へ降りていく手前。ここで数少ない木陰で小休止。しばし歓談。本当はこの先にも面白い沢登があるんだけど、これ行ってるととても時間が足りないので、手前に丸太セクションを設営。上級者は2本連続、中級者は1本超えて、タイトターンして細めをもう1本。本当は中級は大きめに回ってもいいんだけど、それではつまらないので、上級の規制カードを利用。ほ〜らみんなぽち足が出る。もちろん私も...。

さて、最後の第10セクション。

 幅の広い岩盤、うねが溝を作っており、視覚的にいやな感じ。しかも最後の出口では、左半分がテープで閉じられており、ただ真っ直ぐ上がればいいわけではなく、最後で右へ抜けて行かなければならない。岸井さんて、やっぱり、い・ぢ・わ・る...。
 まず私がトライ。最後の出口のことをすっかり忘れて、勢いで上がったら、目の前に青テープが立ちはだかっていた。おっとっとっと慌てて右へ抜ける。なんとかクリーン。粘り腰の稲川さん、今日は頑張る中村君(?)につづき、武田さんトライ。バイクに跨ると一変しておとなしくなるタイプの武田さん、アクセルが気持ちほど開けられず、途中で失速。片足で支えるが、谷側に足を出す為、おっとっとっとバレリーナ状態。華麗な舞を見せる間もなく、がっちゃんこ。それでも、頑張って自分で起す。見ている方が思わず拳を握り締める。重量挙げの選手のようにバイクを起そうとする、彼女の口から漏れた言葉「ぐぅやぁしぃ〜っ」..。結構行けるかも。

 外周路を経由して、第1セクションへ。

 ここは唯一のスピードセクション。小石の坂を登り、Uターンして下ってくるだけ。足着きは減点無し、ただし60秒でタイムアウト。今までのセクションは、全くスピードと縁が無かったのに、ここだけは別。
 スタートラインに並ぶと、みんなエンデューロ並みの前傾姿勢。笑える。
 私は18秒。中村君16秒、稲川さん14秒、速い。武田さんは登り途中で惜しくもタイムアウト。

気を取り直して、第2セクションへ。第3セクションよりスタートした我々のグループは、ここが1ラップの最終セクション。暑さでみんなバテていて、やっと来たかという感じ。
 キャンバー走行を繰り返し、斜面を横断、下ってタイトターンの後一気に登って今度は大岩をまいてアウト。結構難しい、基本テクニックが必要な、テクニカルセクション。全くのドライコンディションだったからよかったものの、これが少しでも湿っていると、全く違った結果になったであろう。武田さん、ここでも「ぐぅやぁしぃ〜っ」..。

 2ラップへ望みを託し、1ラップは終了。本部へ戻る。ぺこぺこのお腹を静めるべく、それぞれ昼食と水分を摂る。休憩のあと2ラップへ...。蘭さんは河合さんからバイクを借り、トライ復帰。武田さんも元気復活、後半は見違えるように走れるようになり、クリーン続出!「やったぁ〜!」と嬉しそう。私も採点も忘れ、拍手する。
 本当は4ラップの予定だったが、時間の関係もあり、3ラップに短縮。我がグループは2ラップで時間切れ。その分みんなで語らったり、助け合ったりして、中身の濃い内容で周回を終えた。

 終了後は武田さんがグループのみんなに、「助けて下さってありがとうございました」とお礼に回る。「いえいえ、その素敵な笑顔と一緒に走れただけで充分ですよ」とお応えし、「また一緒に走りましょう!」と約束。

 全グループが戻った所で、表彰式の開始。リザルトはこちら。上級クラスの優勝はなんとスタッフの下田さん。おいおい。各クラス優勝から3位まではトロフィーをもらい大喜び。その後は恒例のジャンケン大会。kantou05.jpg (120190 バイト)

 YAMAHAからの提供の商品の数々を巡り、河合さんがネパールから連れ帰ったという噂のレースクィーンとの、壮絶なジャンケンバトルが繰り返された。
 S.O.C関東支部長の岸井さんの挨拶で締めくくり、あっというまに一日が終わる。みんなそれぞれ、帰り支度を始めるが、いつもながらの光景で、あちこちで話しの花が咲きなかなか立ち去り難い。
 スタッフに「ありがとうございました、とても楽しかったです。」「また来たいです。」と声を掛けて頂く方多数。この一言で、みんなの苦労も報われる。スタッフの半分はイベント初体験だった為、至らない部分や不満の残る部分もあったかも知れない。でも、これを機会にまた次回につなげて行きたいと思う。

 セローを初め、バイクを取り巻く環境は、日増しに厳しくなっていくけれど、セローオーナーというだけで、これだけみんなで楽しめるのだから、こんな機会を大切にしていきたいと思う。少しでもその手助けが出来れば、うれしい。

では、またお会い出来る日まで。